債権の回収管理
会社の経理をやっている時思ったのですが、実は債権の回収ってすごく重要ではないのだろうか?、と。
だって、何かしらを売り上げ、商品を先方に渡しているけれども、現金が入って来てないのですから。
債権を回収しないと資金ショートしてしまいますよね。
会社員をやっている時は、システムから回収が遅れている債権の一覧が出力されて、それを各部署に連絡する。
単なる事務作業としてやっていました。
ところが、こうやって経営のことを考えていると実はすごく重要な作業だったのか、と思うようになったのです。
今回はそれを共有できたらと思います。
債権とは
私の見解では簡単に言うと、「つけ」ですね。
飲み屋での、「おやじ~、つけでお願い」の「つけ」です。
本当はその場で現金で支払わないといけないのですが、ある程度信頼関係があって、後日現金を払ってもらえればそれでいいよ、という考えですね。
そのため、債権は後日現金を回収する権利を得ていることを表しています。
会社間の取引でも同様に、ある会社とある会社がある程度取引を行っていて、この会社なら信頼できると判断した時にこのような取引(掛け取引)ができるようになります。
そして、掛け取引により生じた債権は後日まとめて支払ってもらえます。
この「後日」というのは、会社の信頼によって変わります。
この会社なら絶対支払ってくれる、という相手先なら3か月以上あとOK。
一方、こっちの会社は今にも資金繰りが危なそうなので、来週には回収しておいた方がいいな。
このように商品やサービスを提供した先の信頼によって変わってきます。
信頼って大切ですね!
どうして債権が発生するの?
会社は営利団体と言われるように、利益を上げることを目的として設立されています。
利益を上げるためには何かしらの商品やサービスを提供し、その見返りとして収入が入ってきます。
この、何かしらの商品やサービスを提供した時に即現金での入金がなければ「つけ」、つまり債権が発生することになります。
債権は、提供したものの対価として受け取ります。
ただ、受け取ると言っても会社でよく出てくる「売掛金」は、債権と書いた券などはなく無形のものです。
経営に大切なこと
先にも申し上げたとおり、ある程度の規模の会社でしたら、すでに売掛金とか買掛金というものが一般的にあると思いますが、起ち上げ当初は信頼がないため、支払いは現金のみでのやり取りになります。
そのため、設立間もない時期は資金繰りがすごく大切になります。
例えば設立間もない会社では、こちらが仕入れ先に支払う際は、当月末締めの翌月5日払い。
一方、こちらが売上先から入金してもらう場合には、当月末締めの翌々月末以降払い。
このようなケースになる場合もあります。
このようなケースですと、支払いの方が早く来て、入金が後から来ることになります。
つまり、運営していくうえで現金が初めに必要になるため、絶えず資金ショートにならないように注意する必要があります。
またある程度の規模の会社になると、それなりの売掛金が発生してくると思います。
この場合、売掛金は「つけ」ですので、後日きっちり支払ってもらう必要があります。
しかしながら、先方の経営が悪化し、回収が滞るケースも出てきます。
そのほか、債権の管理がおろそかになってしまい、一体いくらの売掛金を持っていたのかがわからなくなるケースもあります。
こうなりますと、回収できなくなる、という事象が生じます。
嘘みたいですけど、実際にあるのです。
債権の回収の大切さ
債権を回収する。
考えてみれば、すごく当たり前なことです。
しかし、現実としてなかなか難しいのです。
なぜなら、本業が忙しくなるため、往々にして債権管理がおろそかになるためです。
件数が多いとなおさら手間も時間も掛かり、不明なものが出てくると調査し、その結果管理作業が遅れ…。
と、雪だるま式に不明な部分が大きくなっていきます。
そうなると、いくら回収すべきかもうやむやになり、最終的にはどんぶり勘定になってしまいます。
大きな会社でさえも、債権管理に四苦八苦しています。
ましてや中小零細企業となると、さらに厳しいと思います。
ですが、経営にとって現金は重要な資産です。
これを確保するために、債権はきちんと管理し、適時に回収することが肝要となります。
まとめ
物やサービスを売って、売上だけを伸ばしても、その代金を回収しなければ意味がありません。
ところが意外とこの部分が弱くなるケースがあります。
特に営業サイド、債権管理サイドが2つに分かれる場合には注意が必要です。
営業サイドの方にとっては、売り上げることが第一目的です。
そのため、債権を最後まで回収し切るという意識が希薄になる傾向があります。
健全経営のために、債権は適時に回収していくことが重要ですね。