減価償却とは何か?具体例を交えてご説明します!

減価償却費って何?

げ、減価償却費ってなんですか?何をするものなの…

たんころ

減価償却費とは、簡単に言うと、固定資産を毎年ちょっとずつ費用にすることだよ

減価償却費、意外に分かりそうでわからない。
社会人の方は会社でよく耳にされますよね。
そして簿記の勉強に当然のように出てくる減価償却費。

固定資産をちょっとずつ費用、ってなんのことですか、教えて~

私も簿記3級を勉強したときにすごく気になっていました。
そこで、減価償却費って何なのさ、ということをご説明したいと思います!

減価償却とは?

固定資産は、以下の2点から価値が減少します。

①時の経過
②使うことによって古くなっていく(摩耗する)

例えば、新しい車を買ったとします。

この車、時が立つと何もしなくても汚れていきますね。
それに、改良がなされ毎年マイナーチェンジが行われます。
①時が経過すると、買った時より下がっていますね!(^^)!

また、毎日乗った場合、車はくたびれてきますよね
②使うことで摩耗していきますね!(^^)!

そうです、この価値の低下を費用として、つまり減価償却費として認識します。
これが、減価償却費です(^^♪

もうちょっと専門的に申し上げますと、

「減価償却という処理を行うことで、建物などの資産の価値を期末日等のある特定の時点における価値に置きなおし、同時に、購入時の価値と特定の時点の価値との差を費用として損益計算に含めよう。そして、この費用を減価償却費として損益計算に含めることで毎期の損益計算を適正に行おう!」

というものです。
ん~、とは言うものの、実際どのようなことになるのでしょうか。

具体的に計算してみるとどうなるの?

 使っても使わなくても、どんな使い方をしたとしても、1年間きっかり使えるバッテリーを1月1日元旦に365万円で買ったとします(←もちろん例なので、このようなバッテリーが実際あるかどうか不明ですよ)。
 このとき、3月31日に期末日を迎える会社(4月1日~3月31日が1年としている)の場合、3月31日にどのような会計処理が必要になるでしょうか?

考え方としては、次の通りになります。

①バッテリーは1年間365日きっかり使えて、購入価額も365万円なので、1日当たり使用料1万円分です(365万円÷365日=1日当たり1万円)。

1月1日から3月31日までは90日あるので、90万円分使用したことになりますね(1日当たり使用料1万円×90日=90万円)。

③3月31日まで90万円分使用したので、バッテリーの価値は365万円-90万円=275万円と計算できます。固定資産の帳簿価額は275万円になりますね。

④同時に1月1日から3月31日までの使用料は費用処理する必要があるため、90万円が減価償却による費用、つまり減価償却費として計上されます。

答え:バッテリーの資産価値は275万円減価償却費は90万円として計上されますね。

たんころ

なんとなくイメージはつかめたかな?

つまり、今の資産の価値を表せるようにすること、購入時からの目減り分を費用処理すること、を目的として必要となるのが減価償却です。
そして、この費用処理されたものが減価償却費になるっていうことですね。

え?でもさっきみたいな単純な話なんて、現実には有り得ないよ。
実際はどうやって計算するのさ?

そうなのです、そこで次にお進みください。

減価償却費の計算方法

ちょっと難しくなるけど、付いて来てね。

資産の購入時の価値は、購入した際に支払った金額になるよね。
一方、その資産の今の価値って、実際に転売したり、専門家の方に評価してもらったりしないとわからないよね?

はい!そこで登場するのが、今回の主役「減価償却費」です。

減価償却費の計算は、耐用年数償却方法の2つから構成されています。

耐用年数って何?

耐用年数は、その資産を使うことできる年数を表します。
何年間、その資産は使用に耐えられるの?ってことですね。

例えば、木造・合成樹脂造のもので事務所用のものであれば24年、店舗用・住宅用のものであれば22年というように、税務上では決められています。

財務会計上では、資産の経済的耐用年数、つまり実際に使うと想定される年数とされています。

先ほどのバッテリーの例でいう、利用できる1年間が耐用年数に該当します。

減価償却方法って何?

償却方法の主なものとして、定額法定率法が挙げられます。
そのほかにも生産高比例法や級数法などがありますが、実務ではあまり用いられていないようです。

定額法の考え方としては、毎期同じ価値だけ減少し、その減少分が毎期同額で減価償却費として計上されることになります。
定率法の考え方としては、使い始めの価値の目減りする量は大きいですが、その後だんだんと目減りする量が減ってくるといものです。

先ほどのバッテリーの例でいうと、毎日1万円ずつ定額で使用されると仮定している部分が、定額法に該当します。

減価償却に関するまとめ

期末等のある特定の時点の資産の価値を表すとともに、下落した価値は費用として処理することを求めるのが減価償却です。

この減価償却によって、適切な資産の金額と費用金額を把握することが可能となるため、決算において減価償却は必須になってくるのです。
そして、その際に発生する費用を減価償却費

また、減価償却を計算するにあたっては、持っているそれぞれの資産の耐用年数と償却方法について、税務で規定されているものを利用するのか、はたまた実態から想定されているものを利用するのか、といったことを考えなければなりません。

減価償却費!おぬしの正体見破ったなり!

たんころ

正体ってこともないけど、、とりえあえず理解してもらえたようでなにより

余談

減価償却方法(償却率)、耐用年数について、なんと税務の立場と財務会計の立場だと少し違うのです。

  • 税務…国税庁のホームページからわかるように減価償却方法(償却率)や耐用年数が細かく決まっています。
  • 財務会計…経済的実態に合わせて、減価償却方法(償却率)決定することになっています。

え?なぜそれぞれ違うの?って思いますよね。

これは、税務と財務会計の目的が違うからなのです。

税務は税金を徴収するため、財務会計は会社の実態を表すため、にそれぞれ計算しています。

ただ、日本の会社、東証1部に上場している会社でさえも、多くの場合では税務で決められている減価償却方法(償却率)や耐用年数を利用しています。

それもそのはず、税金計算のための数値、財務会計(有価証券報告書、四半期報告書、短信等)のための数値、と2つの数値を管理することは大変ですからね。

しかし、最近は国際会計基準(IFRS)を任意適用する企業も増えてきているため、税務と財務会計、2つの数値を把握している会社も徐々に増えてきています。

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