一人代表社員への給与(役員報酬)

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現在、代表社員は私一人です。

まぁ、代表社員とは名ばかりですけど。

息子のトイレトレーニングに四苦八苦している普通の主婦です。

名ばかりであります。

が、それは置いておいて、実は会社形態にする一つのメリットとして、実は●●が損金処理できることです!

今回のその●●についてお話しようと思います。

●●とは何?

もったいぶってすみません。

もうお察しはついていると思われますが、●●とは、役員報酬のことです。

 

え?役員報酬ってなんですか?

 

はい、役員報酬とは役員に対する給料ですね。

つまり、代表社員に対する毎月のお給料のことです。

 

会社はこの役員に対する給料を損金として処理することが出来る、というメリットを持っています!

損金ってなに?

簡単に申し上げますと、税務における費用のことです。

税務上では、収入を益金、費用を損金、と覚えておいてもらっても大きく外すことはないです。

 

益と損が、会計と税務で違うのはなぜか?

これは、会計と税務の成り立ちから考えると分かりやすいです。

 

◆会計は、会社のその時点の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状態を表そうとしています。

◆税務は、徴収する税額を計算するためのものです。

 

このように目的が異なっているため、2つの処理では異なっている部分があります。

両者の異なっている点の一つに、この役員報酬があります。

 

◆会計上は、役員に対する報酬は、その労働の対価としてその期に費用処理しないとダメです。

◆税務上は、ある一定の要件を満たした場合にのみ、損金処理できます。

損金出来るとなぜ良いの?

税務上では、収入側を益金、費用側を損金と考えます。

ある一定の要件を満たした役員報酬なら損金処理できます。

従って、下表のように損金が△100として処理できます。

益金(会計上で言うところの売上高) 200
損金(会計上は費用) △100
課税所得(会計上は利益)A 100
税率B 30%
税額A×B 30

 

この△100として計算できることにより、「課税所得」の金額はA100(=200-100)となります。

これに30%を乗じると、税額30(=100×30%)となります。

 

一方、条件を満たさない場合、役員報酬は損金とならず、したがって以下のようになります。

益金(会計上でいうところの売上高) 200
損金(会計上は費用) 0
課税所得(会計上は利益) 200
税率 30%
税額 60

 

な、なんと!税額が60となってしまっているではないですか!?

これは、役員報酬が損金に計上できないことにより、益金200全額に対して税率が乗じられる(200×30%)ことによるものです。

つまり、役員報酬が損金算入できない分だけ、税額が多く計算されることになります。

 

でも、裏を返すと、

一定の条件を満たして損金処理、つまり損金算入することが出来れば税額を減らすことができます!

条件

では、さっきから出ている一定の条件って何?

 

それは以下の国税庁のホームページから抜粋した3つ(該当箇所のみ赤字にしています)となります。

No.5211 役員に対する給与(平成29年4月1日以後支給決議分)

[平成29年4月1日現在法令等]

平成29年度税制改正により、平成29年4月1日以後に役員給与の支給に係る決議(その決議が行われない場合にはその支給)が行われる役員給与の取扱いは、以下のとおりとなります。

  1. (注1) 新株予約権による給与及び退職給与については、平成29年10月1日以後の役員給与の支給に係る決議(その決議が行われない場合にはその支給)が行われる役員給与から適用されることとされています。
  2. (注2) 平成29年度税制改正前の役員給与の取扱いについては、コード5210役員に対する給与(平成28年4月1日以後に開始する事業年度分)をご参照ください。

法人が役員に対して支給する給与(注)の額のうち次に掲げる定期同額給与事前確定届出給与又は業績連動給与のいずれにも該当しないものの額は損金の額に算入されません。
 ただし、次に掲げる給与のいずれかに該当するものであっても、不相当に高額な部分の金額は、損金の額に算入されません。

(注) なお、上記の給与からは、(1)退職給与で業績連動給与に該当しないもの、(1)以外のもので使用人兼務役員に対して支給する使用人としての職務に対するもの及び(3)法人が事実を隠蔽し又は仮装して経理することによりその役員に対して支給するものは除かれます。

①定期同額給与、②事前確定届出給与、③業績連動給与 であれば損金の額に算入できる、ということですね。
(ただし、不相当に高額な部分はダメみたいですね。)

ではそれぞれが何を意味しているのか、見てみましょう。

①定期同額給与

ものすごくざっくり申し上げますと、1年間の役員報酬が毎月同額、というものです。

 

役員さんに対する報酬は毎月30万円!

と決めたら、1年間はその金額でずっといかないといけない。

これを途中で変えてしまうと、定期同額給与に該当せず、損金処理できなくなってしまいます。

そのため、毎月同額にする、これが重要ですね。

 

ご参考に国税庁のホームページから定義部分を抜粋([平成29年4月1日現在法令等])してみました。

定期同額給与とは次に掲げる給与です。

  1. (1) その支給時期が1か月以下の一定の期間ごとである給与(以下「定期給与」といいます。)で、その事業年度の各支給時期における支給額が同額であるもの
  2. (2) 定期給与の額につき、次に掲げる改定(以下「給与改定」といいます。)がされた場合におけるその事業年度開始の日又は給与改定前の最後の支給時期の翌日から給与改定後の最初の支給時期の前日又はその事業年度終了の日までの間の各支給時期における支給額が同額であるもの
    1. イ その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月を経過する日までに継続して毎年所定の時期にされる定期給与の額の改定。ただし、その3か月を経過する日後にされることについて特別の事情があると認められる場合にはその改定の時期にされたもの
    2. ロ その事業年度においてその法人の役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情(以下「臨時改定事由」といいます。)によりされたその役員に係る定期給与の額の改定(イに掲げる改定を除きます。)
    3. ハ その事業年度においてその法人の経営状況が著しく悪化したことその他これに類する理由(以下「業績悪化改定事由」といいます。)によりされた定期給与の額の改定(その定期給与の額を減額した改定に限られ、イ及びロに掲げる改定を除きます。)
  3. (3) 継続的に供与される経済的利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定であるもの

②事前確定届出給与

続いて、事前確定届出給与です。

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これは役員さんに対する報酬というより、賞与(またはボーナス)のときに使える制度です。

事前に何月何日にいくら支払う、と事前に届け出ていれば、その金額を損金として処理することができます。

 

①の定期同額給与で毎月の給料を、そしてこの②の事前確定届出給与を利用して賞与を、それぞれ損金処理。

こうすれば役員さんに対する毎月の給与と賞与分、税金を安くすることができますね。

 

国税庁のホームページから抜粋した定義部分([平成29年4月1日現在法令等])はこちらです。

事前確定届出給与とは、その役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定め(以下「事前確定届出給与に関する定め」といいます。)に基づいて支給する給与(1の定期同額給与及び3の利益連動給与を除きます。)で、次に掲げる場合に応じてそれぞれ次に定める届出期限までに納税地の所轄税務署長にその事前確定届出給与に関する定めの内容に関する届出をしているものです。
 なお、同族会社以外の法人(注)が定期給与を支給しない役員に対して支給する給与については、その届出をする必要はありません。

(注) 同族会社に該当するかどうかの判定は、その法人が定期給与を支給しない役員の職務につき、その定めをした日(新設法人にあっては設立の日)の現況によります。

  1. (1) 原則
     事前確定届出給与に関する定めをした場合は、原則として、次のイ又はロのうちいずれか早い日(新設法人がその役員のその設立の時に開始する職務についてその定めをした場合にはその設立の日以後2か月を経過する日。)が届出期限です。

    1. イ 株主総会、社員総会又はこれらに準ずるもの(以下「株主総会等」といいます。)の決議によりその定めをした場合におけるその決議をした日(その決議をした日が職務の執行を開始する日後である場合にはその開始する日)から1か月を経過する日
    2. ロ その会計期間開始の日から4か月を経過する日
  2. (2) 臨時改定事由により定めをした場合
     臨時改定事由によりその臨時改定事由に係る役員の職務について事前確定届出給与に関する定めをした場合(その役員のその臨時改定事由が生ずる直前の職務について事前確定届出給与に関する定めがある場合を除きます。)は、次に掲げる日のうちいずれか遅い日が届出期限です。

    1. イ 上記(1)のイ又はロのうちいずれか早い日(新設法人にあっては、その設立の日以後2か月を経過する日)
    2. ロ 臨時改定事由が生じた日から1か月を経過する日
  3. (3) 事前確定届出給与に関する定めを変更する場合
     既に上記(1)又は(2)の届出をしている法人が、その届出をした事前確定届出給与に関する定めの内容を変更する場合において、その変更が次に掲げる事由に基因するものであるときのその変更後の定めの内容に関する届出の届出期限は、次に掲げる事由の区分に応じてそれぞれ次に掲げる日です。

    1. イ 臨時改定事由
       その事由が生じた日から1か月を経過する日
    2. ロ 業績悪化改定事由(給与の額を減額する場合に限ります。)
       その事由によりその定めの内容の変更に関する株主総会等の決議をした日から1か月を経過する日(変更前の直前の届出に係る定めに基づく給与の支給の日が1か月を経過する日前にある場合には、その支給の日の前日)

③業績連動給与

業績に連動した給与とすることができます。

が!

こちらは基本的に私のような一人代表社員の会社では利用できません。

なぜなら、同族会社だと使っちゃダメ、とされているからです。

 

同族会社って何?って思われますよね。

「同じ家族の会社」、ちょっとわかり難いですね。。

例えば、自分一人や配偶者、両親や身内の方のみがその会社に対して出資している場合が同族会社に該当します。

つまり、ざっくり言えば、「家族経営の会社」ということですね。

 

基本的に中小の企業は家族経営が多いと思うので、この制度は利用できませんね。。

こちらもご参考に国税のHPの抜粋を載せておきます。

同族会社以外の法人が業務を執行する役員に対して支給する利益連動給与(利益に関する指標を基礎として算定される給与)で次の(1)から(3)までの全ての要件を満たすもの(他の業務を執行する役員の全てに対しても次の要件を満たす利益連動給与を支給する場合に限られます。)

  1. (1) その算定方法が、有価証券報告書に記載されるその事業年度の利益に関する指標を基礎とした客観的なもので、次の要件を満たすものであること。
    1. イ 確定額を限度としているものであり、かつ、他の業務を執行する役員に対して支給する利益連動給与に係る算定方法と同様のものであること。
    2. ロ その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月を経過する日までに一定の報酬委員会が決定していることその他これに準ずる一定の適正な手続を経ていること。
    3. ハ その内容が上記ロの決定又は手続終了の日以後遅滞なく有価証券報告書に記載されていることその他一定の方法により開示されていること。
  2. (2) 有価証券報告書に記載されるその事業年度の利益に関する指標の数値が確定した後1か月以内に支払われ、又は支払われる見込みであること。
  3. (3) 損金経理をしていること。
    1. (注1) 平成22年3月31日までに終了した事業年度につき、特殊支配同族会社の業務主宰役員に対して支給する給与については、その給与の額のうち一定額が損金の額に算入されない場合があります。詳細については、コード5207 特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入を参照してください。
    2. (注2) 平成18年4月1日から平成19年3月31日までに開始する各事業年度における役員給与の取扱いについてはコード5206 役員に対する給与(平成18年4月1日から平成19年3月31日までの間に開始する事業年度分)を参照してください。
    3. (注3) 「役員給与に関するQ&A(平成20年12月)(平成24年4月改訂)(PDF/303KB)」が、国税庁ホームページのその他法令解釈に関する情報に掲載されています。
    4. (注4) 28年4月1日以後に開始する各事業年度における役員給与についてはコード5210 役員に対する給与(平成28年4月1日以後に開始する事業年度分)を参照してください。

もう一つのメリット:厚生年金に加入できる

一人社員であろうと合同会社の代表社員は社会保険に加入する義務があります。

そのため、合同会社を設立した後に年金事務所へ加入の手続きをする必要があります。

これにより厚生年金にも加入することができます。

 

つまり、普通個人事業主でやっている場合では入れない、厚生年金に入ることができるのです!

これは大きいですね。

将来の金銭面不安を少しでも緩和してくれる要素になります。

 

また、さらに良いことに、これらの社会保険料等を会社の経費(税務上の損金)処理することができます!

これにより、社会保険料等分の税額が低くなります。

まとめ

自分に対する給料が会社にとっての会計上も費用となり、税務上も損金処理が可能となります。

これにより、会社の法人税額が少なくなるというメリットがあります。

 

でも一つ注意すべき点としては、会社の税金が安くなっても、給料をもらっている人の所得税は上がる可能性がある、ということです。

なかなか奥が深いですね。

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